サイト開設から一ヶ月の振り返り:メディアの継続性と今後について


こんにちは、本サイト「コレ!」およびジャンル不定カルチャー誌『アレ』の編集長・堀江くらはです。9月になりましたが、私たち〈アレ★Club〉がお届けするジャンル不定カルチャーWebマガジン「コレ!」のオープンから約一ヶ月が経過しました。幸いなことに、読者の皆様にも本サイトが目指す「視点を変える知」を楽しんでいただけているようで何よりです。

ここ一ヶ月の統計を見てみると、アクセス数は右肩上がり。いくつかの記事は1000PVを超えており、リアル・Web問わず言及されている等々、様々な反響をいただいており嬉しい限りです。著名な方に読んでいただいたり、紙媒体・Web媒体を問わず編集者の方に「面白いよね」と言っていただけたり、読者コミュニティが萌芽しつつあったりすることは、当会メンバーの励みになっています。

「コレ!」はまだまだ小さなWebマガジンですが、今後とも良質な記事を皆様に提供しつつ、同時に機関誌『アレ』やイベントなどとも連携しながらこのサイトの発展、ひいては〈アレ★Club〉の拡大を目指していきますので、今後も何卒よろしくお願いいたします。

これは余談ですが、僕こと堀江くらは個人は現在、メディアの運営、記者やライターとしての仕事、イベントの運営、アプリやWebサイトの開発、ゲームの企画およびディレクション等々……様々なことに関わってきた結果、いよいよ何が本業なのか分からなくなってきました。また、東京以外にも拠点がいくつか増え、家が何処にあるのかもよく分からないというのが現状です。

この辺りのことについては僕の個人ブログの方で詳しく書きますが、僕のこうした在り方が、新しい働き方や将来的なメディア活動を思考する上での面白いサンプルになればいいなと思っています。

◆同人メディアと継続性

さて、先日SNS上で、多くの評論系同人誌の「中の人」が、自メディアの今後についての投稿をされておられました。それらの内容の多くは「今後の活動は金銭的に困難」というもので、正直な話、商業・同人を問わず活動する編集者・ライターとして心苦しいものがありました。

同人誌は趣味的な側面が強いため、どうしても赤字になりやすい傾向があります。それゆえに同人誌は継続性を保つことが難しく、サークルの運営が困難になってしまったケースもこれまで数多く見られます。

僕たち〈アレ★Club〉は「同人誌」からスタートしましたが、そうした中で黒字を出している数少ない団体だと自負しています。〈アレ★Club〉は設立当初から徹底して黒字思考で運営しており、それが読者の皆様やコミュニティのためになると思っています。

なぜ僕たちは黒字思考で活動を行うのか、その理由は「継続性」というシンプルなものです。僕たち〈アレ★Club〉は「知の日常化」、すなわち知を生活へと浸透させていき、また生活から知を立ち上げていくことを目的として動いている団体です。つまり、僕たちの活動は生活の中で展開されるものです。そのため、僕たちの活動には、ちょうど生活を送るのに時間がかかるのと同じように時間がかかります。

そうである以上、僕たちの活動において継続性を担保することは絶対です。加えて、僕たちがお金の問題に目を瞑ることは怠惰であり、読者やコミュニティに対して不誠実な態度であると考えています。なぜなら、それは自分たちが活動を継続できず、やればやるほど貧しくなるようなことを社会に広めようとしていることになるからです。

【Web巻頭言にかえて】「批評」や「カルチャー」から欠け落ちたもの

同人メディアの方々の中には「収益性や継続性を気にするよりも、とにかく同人誌を作ることを楽しみたい」という考えで活動されている方も少なくないことは理解しています。ですが、もし「読者の生活に寄与したい」と考えている同人メディアの作り手さんがいらっしゃるなら、どうかお金の問題には目を瞑らないでいただければと思います。

◆お知らせ:特集実施につき、執筆者を募集します!

さて、いくつかの同人誌が活動休止やサークル解散という状況に追い込まれる中、多くの書き手が「書く場所」を失っています。同人誌を作る手間やコストを考えると、書き手に「だったら自分で同人誌作れよ」とは言いづらいですし、ブログやホームページなどのWebメディアの運営にも手間がかかるという側面があります。「ただ単に原稿を載せたい」というニーズに関して、「メディアを持て」というのは解答として不十分だと僕は思います。

そこで、今後「コレ!」では特集を組み、執筆者を外部から広く募集しようと考えています。詳細については現在検討中ですが、まずは同人誌の書き手が参入しやすいような「コンテンツ」に関連した特集を今秋企画して発表する予定ですので、皆様振るってご応募くださいましたら幸いです。なお、編集部の都合によりお返事が遅れることもあるかと思いますが、その旨はご容赦いただけますよう、よろしくお願いいたします。

なお、僕たちの編集チェック体制は「商業メディアと同等」です。僕自身、これまで約4年間編集者として活動し、まがりなりにも商業メディアの編集長を務めていた時期もありました。また、本メディアの質を第一に考えているので、大規模な編集が必要と判断された記事につきましては、それ相応のやり取りを行うこと、お送りいただいた原稿がボツになり執筆時間が無駄になる可能性が大いにあることを、あらかじめご了承ください。

また、僕たち〈アレ★Club〉では、商業メディアが拾い上げられない優秀な書き手を発見することも、自分たちの大事な仕事であると考えています。「コレ!」や『アレ』の執筆者の方々と僕たち編集部が、お互いにWin-Winな関係を築けていけたらと思っています。

残念ながら、まだ書き手の方に原稿料をお支払いすることはできませんが、投稿していただいた記事内に『ほしい物リスト』を貼り付けさせていただいたり、個人の物販ページを紹介させていただいたりする等々の形で、僕たちにできる範囲で書き手の方々にメリットを提供していけるよう、最善を尽くすことをお約束いたします。

◆おわりに:今後の私たちと収益化についてのご相談

特集は本来9月に行う予定でしたが、編集部メンバーが倒れるという事件を受けて8月半ばに休暇を取ったため、10月に延期することになりました。資金以外に、人的リソースの管理・維持もメディア運営には大切です。特に僕たちのような本業と〈アレ★Club〉を掛け持ちしているような団体では、そうしたリソースの管理が難しいのです。

「第二の名刺」や「新しい働き方」などの言葉が叫ばれている昨今、こうした人的リソースの管理も今後新たな課題になっていくでしょう。体調管理やスケジュールの調整については本人の責任もありますが、それをサポートすることも企業や団体の運営において重要なのです。

繰り返しになりますが、僕たちは今後の発展のため、より収益を増大していきたいと考えています。当然、キュレーションやステルスマーケティングのような活動は行いませんし、サイトや紙面の質を下げるようなことも考えていません。

ならばどうするのかと言いますと、僕たち〈アレ★Club〉ではアーカイブ化した過去の記事の販売や有料記事の公開、その他の有料コンテンツやクラウドファンディング等、様々な形での収益化を考えています。

今お読みいただいているこの記事も、実はそうした試みの一環です。僕はこうした運営や編集の手の内については、そのほとんどを公開します。事務局長が「それは関係者の方的にマズいよ」とか「炎上して面倒なことになるよ」みたいなことを言わない限りは、全部発信していくつもりです。新たに同人誌やWebメディアを作ろうと考えておられる皆様、どうぞ参考にしてください。また、お答えできる限りは質問にも答えていきますので、何かありましたら僕のTwitterアカウント(@kuraharu)までリプライやDMをお送りください。

最後に、執筆者の皆様にご相談です。先程も書きましたが、現状〈アレ★Club〉は、執筆者の方々全員に原稿料を支払えるほど大きな団体ではないため、本サイトで執筆者の方にどのようにしてメリットを提供できるかを思案しています。

記事への反響が直にメリットに繋がる形にしたいのですが、アソシエイトIDは1サイトにつき1つまでしか登録できないため、執筆者のIDで広告を貼るような形式のものは難しいです。何か他にいい案がありましたら、お問合せページにてご連絡ください。

以上、今後とも本サイト「コレ!」および〈アレ★Club〉を、何卒よろしくお願いいたします。

[記事作成者:堀江くらは]