【番外編その1】思い過ごしの効能(私が『ひとりぼっちの地球侵略』と共に辿り着いた「コンテンツ」の限界)

第1回:【第1回】その日、運命に出会う(私が『ひとりぼっちの地球侵略』と共に辿り着いた「コンテンツ」の限界)

この連載では、私さいむが『ひとりぼっちの地球侵略』を通して経験した様々な出来事を皆さんにご笑覧いただくことを目的としています。しかし、連載の本筋から多少外れてしまったがために、時系列からカットしたエピソードもいくつか存在します。そこで、今回は番外編として私が2014年までに体験した『ぼっち侵略』に関する失敗のうち、本編では取り扱われなかったものを紹介していきたいと思います。

◆「侵略同盟」に関する失敗と後悔

2013年の上半期頃、私は『ぼっち侵略』についてTwitterで検索を続ける中で、とある人物と出会いました。当時高校生だったその男の子は、『ひとりぼっちの地球侵略』の非公式ファンクラブを作ろうとしていたのです。その非公式ファンクラブは名を「侵略同盟」(以下、同盟)と言います。私は一も二も無くその話に飛び付き、何をするのかはさておき、とりあえず同盟のメンバーとして名を連ねることにしました。

同盟ではメンバーを集めても何かしらの活動を行うということは少なめで、基本的には『ぼっち侵略』ファンが集まってワイワイやれる場所を作りたいというのが主な目的でした。私は『ぼっち侵略』のことばかり呟いているので多少目立ってはいたものの、同盟全体で何か目的をもって動くということも無く、名を連ねている人同士がときたま『ぼっち侵略』の情報を共有し合う状態になっていました。

それから数ヶ月後、事態は動きます。同盟の初代代表が諸事情で辞任することになったのです。ファンクラブの活動が活発化しないことや当人の多忙化などが理由だったと記憶していますが、ともあれ臨時で代表を務める人が必要となりました。そうなると、毎日やたらめったら『ぼっち侵略』について呟いたり情報を集めたりしている私が臨時代表を務めるのでは……という空気になっていきました(もっとも、直接そのようなリプライこそありませんでしたが)。私も初期メンバーとしてやれることをやろうと思い、臨時代表、その後には二代目の代表として同盟の活動を引き継ぐことになりました。

しかし、結論から言えば私が同盟の代表として大きな活動を起こすことは一度もありませんでした。毎日メンバー募集の定期ツイートを自動で流し、参加希望者からリプライが届けば無条件で加入者として迎え入れ、同盟のメンバーリストに追加して、それでおしまい……そんな日々を私はかれこれ5年近く続けています。要するに、私も先代代表と同様、同盟という集まりを持て余してしまったのです。日々の生活や自身の『ぼっち侵略』読解および情報収集だけで手一杯で、同盟をどうこうする余力が(特に精神面で)残っていなかったのです。いえ、もっとハッキリ言えば、そこに対する努力を私は半ば放棄してしまいました。同盟が機能していなくとも私が毎日『ぼっち侵略』に関する情報を発信したり収集したりしているものですから、そうしたファンクラブという体裁がなくとも、親しいフォロワーとの繋がりだけで『ぼっち侵略』に関するファン活動を継続できてしまったのです。

そういうわけで、さいむ個人が一人の『ぼっち侵略』ファンとして次々に新しい『ぼっち侵略』読者と交流していく中で、同盟は単なる名簿に綴られた『ぼっち侵略』読者の集まりとして、5年もの歳月を徒に消費してしまったのです。

あのとき、私が臨時代表になるとハッキリ名乗り出なければ、同盟は一ヶ月と保たずに形骸化する運命だったでしょう。しかし、私の明らかな消極性が招いた現在の状況が正しいとは到底言えませんし、さりとて私が積極的に活動を起こしたとしても、同盟が今よりも規模の大きいファンクラブになっていたともあまり思えません。一つ確かなことは、ファンクラブを運営するという行為が明らかに私のキャパシティをオーバーしていると分かっていながら、それを放置してしまったという事実だけです。

現在の同盟のメンバーには大変申し訳なく思っていますし、『ぼっち侵略』が完結を迎えた今、同盟にも何か一区切りを付けるべきだろうと考えています。それがどういうものであるべきの答えはまだ見つかりませんが、『ぼっち侵略』最終15巻の発売までには、どうにかして結論を出したいと思っています。

◆守株:なんでもかんでも『ぼっち侵略』

2014年、とある発見が私に大きな衝撃を与えました。大学サークルの用事でプラネタリウムを見に行ったときのことです。満天の星空に浮かぶ「はくちょう座」を明るく強調しながら、こんなナレーションが流れたのです。

「はくちょう座の恒星アルビレオは最も美しい二重星とも言われており……」

耳にした瞬間から湧き上がってきた違和感を脳内で処理するのに約3秒。次の瞬間には思わず「あぁっ……!」と情けない声を上げて恥をかいてしまいました。

そう、それは紛れもなく『ぼっち侵略』に登場する「オルベリオ」という星の元ネタでした。私は『ぼっち侵略』と全く関係の無い用事から、図らずも『ぼっち侵略』に関する重大な手がかりを得てしまったのです(※1)

この発見が『ぼっち侵略』に関してどのような意味を持っていたのかについては私のブログに譲るとして、ここで重要なのは「『ぼっち侵略』とは関係ないと思っていたところに手がかりが隠れていた」という点です。そのときまで私は、『ぼっち侵略』のために費やす時間とそうでない時間を分けていました。しかし、『ぼっち侵略』を読み解く鍵は私のそうした棲み分けとは関係なくこの世界の何処かに隠れており、これから私はいつでもそうしたヒントと出会う可能性を考慮して日々を生きなければならない……と、私はそう極端に思い込んでしまったのです。

このとき、この(思い込みの)現実に対して私が取った対抗策は、無謀かつアホなものでした。私にも日常生活がありますから、常に『ぼっち侵略』のことを考えて生きるわけにはいきません。ですが、それでもより『ぼっち侵略』の情報を集めるには、日常生活の全てが『ぼっち侵略』と紐付いていなければ話になりません(と当時の私は妄想していました)。そこで、頭の中で『ぼっち侵略』に関するキーワードを常に思い浮かべておけば、『ぼっち侵略』について考え続けなくてもこの問題を解決できるのではないか、そう思ったのです。

……何を言っているのか今の自分でもよく分かりませんが、とにかく当時の私はそう思い、それを実行に移しました。朝、余裕のあるうちに『ぼっち侵略』を読み返し、重要なワードをいくつかピックアップします。それから心の中で「ぼっち侵略」と十回唱えて頭の片隅に残すイメージをし、他のワードも回数を減らして同様にします後は普通に日常生活を過ごすだけです。「これで『ぼっち侵略』のことがより理解できるぞ!」とニヤニヤしていた過去の自分をぶっ飛ばしたくなりますが、話を進めます。

この謎の儀式は結局約一ヶ月間、断続的に行われました。成果は……当然ながら一切なく、「これは無駄だな」という実行する前に気付くべきだった悟りと共に、この儀式は人知れず闇へと葬り去られることになったのです。

ただし、このときの謎思考は私の精神の奥深くにしっかりと結び付いてしまい、「個人として『ぼっち侵略』から引き出せる情報に限界があるのなら私が作品になるしかない」というさらなる奇怪なアイディアを捻り出す原因となってしまうのでした。

こうした奇怪なアイディアは、そのどれもが『ぼっち侵略』の読解をより向上させていく上で大きな壁にぶつかった際に浮かんできたものばかりです。このままでは『ぼっち侵略』に追いつけない、そういう焦りが生み出した負の産物として、これらのアイディアは私の記憶に今でも薄くこびりついています。せめて実行する前に、もう少し方法の妥当性について考えていればと後悔もしていますが、『ぼっち侵略』をより理解するためにできることはやり尽くそうと思っていた当時の私には、それこそあり得ない発想だったのかもしれません。

もっとも、このときの発想が完全に的外れだったとはあながち言えません。というのも、私が『ぼっち侵略』に関して何かしらの気付きを得たときというのは、その大半が『ぼっち侵略』の読解に専念していないときだったからです。たとえばそれは気晴らしに散歩していたときであったり、ゲームで遊んでいたときであったり、あるいは人に『ぼっち侵略』の話をしようとしたりしていたときでした。『ぼっち侵略』をひたすらに読み返し、気になる部分を列挙し、整理して考え続ける、そういう時間の中では大きな発見を逆に得られなかったのです。一度集中して作品について思考することをやめたときの方が頭がスッと軽くなり、様々な知識や予想によって混沌としていた思考を一つの答えへとやおら導いてくれる、そんな経験を私は幾度もしてきました。そして、私がこの6年間で得られた『ぼっち侵略』最大の発見も、こうした日々のやり取りの中から生まれることになるのです。(続)

【注釈】
(※1)
ちなみに、こうした発見を私は2016年にもう一度だけしています。『君の名は。』を観に行ったとき、タイトルロゴの「の」の字が『ぼっち侵略』の「の」の字と同じであることに気づいたのです。そこから『ぼっち侵略』のタイトルロゴがA1明朝というフォントを使用していると発見した私は、躊躇なく17,000円でそのフォントを購入したのでした。

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※今回は番外編ということで、『ぼっち侵略』ではなく作者の小川麻衣子先生がイラストを担当したコチラの小説をアイキャッチ画像にさせていただきました。

[記事作成者:さいむ]

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